LEOは全世界で138ヶ国に5510クラブ137,750名('98年11月現在)の会員がいて、年々増加しています。しかしながら、日本のレオクラブは、ここ2〜3年で20クラブの減、7年前から比べてみると驚くことに42クラブの減となっており、解散クラブは55クラブを超えています。
その中にあって、当333地区では4年前と比較すると、6クラブの増、会員数では170名の増となっています。これはひとえに333地区の歴代ガバナーはじめ、多くの地区役員の方々の青少年に対する絶大なるご理解とご支援があったからだと思います。
ところで、バブルの崩壊以後、全国的な不況を背景として、いま全国のライオンズクラブではクラブの合理化、簡素化等が叫ばれています。その中にあって一番弱い立場にいるレオクラブは一番最初にヤリ玉にあがって、「レオなんか必要ない」「金がかかるだけだ」と言って、簡単にクラブ解散させてしまうスポンサーライオンズクラブがあります。まことに嘆かわしい限りです。憤りを感じているのは私だけではないと思います。
ライオンズクラブのACTは近年、金銭的奉仕よりも労力的奉仕へ、福祉的ACTよりも社会教育的ACTへ移行しています。前年度のハワード・L・パターソン国際会長はライオン誌2月号のメッセージの中で、国際協会のすべてのライオンズクラブは主要奉仕活動に青少年育成を必ずとり入れるよう願っています。その中でも特にレオプログラムを高く評価して、「未来への投資」であると述べています。彼は「若者は世界のどの地域社会や国にとっても未来であり、彼らが費やす時間と努力を通して、ライオンズは明るい未来を確実なものにします」と述べています。
我が国においても江戸時代、財政破綻寸前であった米沢藩で、上杉鷹山公がお国入りしてまず最初に手掛けたことは、青少年の育成でした。彼は米沢に興譲館を建て、次代を担う青少年の教育にとりかかりました。藩士の子弟のみならず、町民・百姓の子も教育したと言われています。当初、家老や重役たちは、「財政逼迫のおり、なぜ青少年の育成なんぞやるのか」と、くってかかったそうですが、何十年か経ち米沢藩が見事立ち直り、恒久的な赤字財政から黒字に変わり、藩が豊かになったことで彼の行ないは間違っていなかった事が実証されました。
レオの育成を怠った地区は必ずその報いを受けるでしょう。しかし、苦しい中でもレオの育成に心血をそそいだ地区は必ず
近い将来 何十倍にもなって返ってくるでしょう。
有史以来、後継者教育(青少年の健全育成)を怠った国は必ず滅亡しています。いま日本もその危機の中にあります。経済優先で拝金主義がまかりとおり、お年寄りや弱者をないがしろにして、他人をけ落としてまで己の幸を追求し経済大国になったものの人間疎外に陥り、青少年の育成すらも眼中に入らなくなってしまった国に未来はありません。
私が若い頃、県の青少年派遣でドイツのバイエルン州に行かせていただいた時、ホームステイ先はラリング村という南部の寒村でしたが、その前にニュールンベルグのカリタスの青少年宿泊施設に2日間お世話になった時、そこの責任者の神父が、私達日本人青年を前にして次のような質問をしました。「あなた達は何故勉強するのか? 何故に高い教育を受けるのか?」・・・日本人の我々が「いい大学に行って、いい会社に入り、いい生活をするためだよナ」「自分自身の為に決まってるヨ」と、皆それぞれの心の中で思っていた時、ドイツ人の神父は「それは、世の為に、人(他人)に尽くす為にです!」と言いきりました。私はその時、日本では学校でも家庭でも「お前のためだ」「自分自身の為さ」と言われて信じて疑わなかったけれど、ドイツでは「人々の為」に学ぶのだと教わり、目からウロコが落ちたような気がしました。
同じ敗戦国でありながら、青少年への教育観がこんなにも違い、片や自分自身の為と言い、片や人々の為にと言う。これでは何十年か後には日本は大変な事になってしまうのではないかと思いました。
あの時の若者だった私達から生まれた子供達が成長して、いま中学生高校生になっています。日本ではここ数年、筆舌に尽くし難い少年少女の事件が起きています。
このような世相にあって、奉仕の精神あふるる我々ライオンズが青少年の育成に力を入れずに、ほかに何に力を注ぐのでしょうか?
こういう時にこそ我々はレオの子供達と共に汗を流し、共にACTに精を出し、我が子の成長を楽しむようにレオの育成に力を注ぐべきだと思います。それによって我々ライオンも多くのものをレオから学びとることが出来ると思います。
LEOで育った子供達が21世紀の日本を救ってくれることを祈ってやみません。そのためには少なくとも1ゾーンに1レオクラブを結成すべきであると思います。日本中の全地区の全ゾーンチェアマン・リジョンチェアマンにレオクラブの結成と育成をお願い申し上げます。
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