◆稲作部◆ 最終更新日2008/1/23
★平成コメ騒動 もう10年前のことになるが、日本国中がパニックになったことがあった。冷害によるコメ不足だった。 お金さえ出せば何でも食べるものが手にはいる平成のこの世に、コメ泥棒まで現われて、日本人のあわて方が、少しコッケイでさえあった。コメの緊急輸入によって、タイや中国などから外国米が入ってきたが、「外国のコメはまずい」と騒ぎたてて、生産地の人たちのヒンシュクをかってしまった。 日本人にとって、コメはただ穀物のひとつというだけではなく、もっと心の問題や文化の問題と関係しているようだ。 戦後日本ではコメ離れが進み、コメがなくても平気なのではないかと思えるくらいだが、「農耕民族」の最後の砦がコメであり、それさえも輸入に頼れば、日本人の精神的なよりどころもなくなってしまうという危機感だろうか。 今さら、日本人が「農耕民族」とか「稲作民族」とか呼べるのかわからないが、「コメだけでも日本のものを食べたい!」という切羽つまった叫びが聞こえるようだった。今では、食料の大部分が外国産のものを食べているのに(国産食料自給率(カロリー換算)は41パーセント。農水省統計より)、コメだけは許せないという感情は、単に味覚だけの問題ではない。 日本人にとってのコメの意味と、アジアにはいろんな種類のコメがあって、いろんな食べ方がある。コメ不足は、そんなことに気づかせられたできごとでもあった。 又,当時のコメ不足の時、実は「外国米はまずい」と日本人全員が不平を言っていたわけではなかった。中にはカレーやチャーハンには合うと、喜んで食べた人もいたのだ。 外国旅行に出かけるのは日常茶飯事になり、現地で覚えたコメ料理を日本に帰ってから再現しようとする人たちもいる。こんな風に、日本のコメの食べ方も、外国からいろんな影響を受け、変化をしていくだろう。 反対に、寿司が欧米で食べられるようになったり、日本風のセンベイが中国でも作られるなど、日本のコメの食べ方が外国で受け入れられることもある。 いずれにせよ、違いは違いとして認めたうえで、いいものは取り入れていくということが大切で、またそれは自然な流れでもあるだろう。コメを美味しく食べる文化を大切にしたいと願うのは、どこの国の人でも同じなのだから。
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