『 山口四郎の下駄 』エピソード

厳しい奉公先での菓子修業を終え、山口家に婿入りした四郎ですが
一生涯大事にしていた物があります。
修業時代に履いていた下駄です。

後に四郎は、長男卓郎の嫁(久代)にその下駄を見せ、
菓子修業時代の苦労話をしたことが一度だけありました。
四郎の広げた新聞紙の中をのぞくと、
下駄の底の二の字が完全にすり減った、
まるでゾウリにしか見えない下駄があったそうです。

厳しさを耐え抜いた自分の勲章だったのかもしれません。